機長アルベルト

今回の東京通いは、お手頃価格のLCCで成田に降りています。
私は今まで羽田しか利用した事がなくドキドキでした。
 
 その初日から、台風で条件付きの運行となってしまいました。
着陸できなければ千歳に戻るとのこと。
LCCの短くも厳しい搭乗時間に驚きつつ機内へ。
(トイレに行っていて乗れないところでした)
 
「当機の機長はアルベルト」とのアナウンス。
ミスターアルベルト、貴方はどんなアルベルトなんだい?
面倒事が嫌いな、すぐに諦めるアルベルトなのか、障害があった方が燃えるチャレンジャーアルベルトなのか。
 
少々ヤンチャでも構わない、チャレンジャーアルベルトであってくれ。
結論、チャレンジャーアルベルトでした。
 
機内はかなりの揺れで、手元にアノ紙袋を掴んでいる人もいるくらい。
私も過去にやはり台風で、エチケット袋5枚設置されているJALに乗った事があったけれど、あんなどころの騒ぎじゃないほど揺れました。
私も初めて飛行機で酔いましたもの。
 
着陸に備えて高度を下げて行くと、揺れはどんどん激しくなり、これ着陸できずに引き返すとしたら、私も吐くなと思いました。
頼む!アルベルト!なんとしても着陸してくれ!!
アルベルトならできるはずだ!!!
 
揺れはどんどん激しくなる。
機内で「キャ!」と声が上がる。
 
そんな中、隣の外国人はスマホの単語帳で日本語の勉強を続けているではないか。
吐き気を堪えて覗くと、嘘みたいだが「落ちる」と言う言葉が。
 
今それどんな気持ちで見てるんだよ。
と、唐突に叩きつけるような激しい着陸!
逆隣の女性は前の席のヘッドレストにもんどり打っていた。
 
私は咄嗟に手が出て突っ張りの姿勢に。
私はこういう時、腕を折るタイプだなと思った。
その時も外国人はスマホ単語帳をひたすらめくっていた。
もうその頃にはどんだけ日本語が話せるのか知りたくなって、話しかけたくなっていましたよね。
 
なにはともあれ無事到着、ミスターアルベルト本当にありがとう。
 
成田空港はすごくエキサイティングだった。
全身タトゥーでものすごい露出のオネーサンが床に寝っ転がっていたり、通路で女性が着替えをしていたり、機長の制服のままでミニストップで缶ビール買ってたり、羽田では考えられない世界がそこかしこに!
 
あの缶ビール機長、アルベルトだったのかもしれない……。
お疲れ、アルベルト。(んなわけあるか)